薬は効果と副作用を天秤にかけて何を飲むか自分で決断を下すのがよい

薬は効果と副作用を天秤にかけて何を飲むか自分で決断を下すのがよい

何の薬を飲むか自分で選ぶ姿勢を忘れないで!

 

「聞いたことの無い薬や新薬を飲むのは、自分が実験台になるようなものだ」

 

こんなふうに言う人がいますが、本当のところはどうなのでしょうか

 

まず知っていただきたいのは、新薬には画期的な新薬と画期的でない新薬があるということです

 

画期的でない新薬というのは元の薬をちょっとだけ改良した薬です

 

少し化学的な言い方をすると、側鎖と言われる薬の分子構造の枝葉のような部分を少しだけ変えて、前の薬より副作用を少なくしたり、効き目を良くした薬ということになります

 

画期的ではありませんが、前の薬を少し改善しただけなので安全性が高いですね。

 

もう一方の画期的な薬というのは、前の薬とは全然関係なく別ルートで新たに開発された薬のことを指します。

 

効果は高いかもしれませんが、どんな副作用があるかも分かりません。

 

もちろん、新薬というのは動物実験を経て、また、人を使った臨床試験を経て安全性や有効性が一応たしかめられているものですが、評価が定まっているわけではありません

 

新薬には危険性、リスクもある

たとえばインフルエンザの薬であるタミフル。

 

あの薬は2001年に発売されましたが、その後タミフルを服用した子どもが転落死したり、急に道路に飛び出してトラックに轢かれるといった異常行動が頻繁に起きて世間を騒がせたのは2005年の終わり頃でした。

 

結局、異常行動とタミフルとの因果関係は明らかになりませんでしたが、現在では薬の注意書きには重大な副作用として「異常行動や幻覚、妄想」などが明記されるようになりました。

 

こういう例があるように、新薬というのは副作用の実態がすぐには明らかにならないことが多いのです

 

ただし、例外もあります

 

それはイギリスの製薬会社が開発したイレッサという抗がん剤です。

 

この抗がん剤は2002年に登場し、当初は効果が高く副作用が少ない画期的な薬として脚光を浴びました。

 

ところがまもなくして、肺炎や肺障害などの副作用によって多くの死亡者を出したのです

 

2012年9月末までに厚生労働省へ報告された副作用の数は何と2328例!そのうち死亡患者は857人と発表されています

 

厚生労働省がイレッサを承認したのが2002年7月、その3カ月後の10月には死亡者が51人、11月の死亡者は81人とありますから、発売後わずか数か月で重大な副作用が出たということになります

 

 

副作用を覚悟して新薬に乗り換えるべきか?

先ほども言ったように、結局のところ新薬というのはたしかな評価が定まるまではどんな副作用があるかわからないという面があります。

 

そういう意味では、新薬を飲むのは実験台になるのと同じであると言っても間違いではありません

 

ただし、薬というのは必ず副作用があるものですから、注意書きに重大な副作用として書かれている症状がある一定の確率で自分にも現れる可能性があるということは、飲む人は誰もが知っておく必要がありますね。

 

新薬に対して医者はどのような見解を持っているか長年お世話になっているお医者さんに聞いたところ、

 

「副作用がそんなに気にならないものもあれば、逆に気になるものもある」

 

という回答を頂けました。

 

たとえば風邪薬とか頭痛薬などは、一般にあまり重篤な副作用はなく、しかも通常は一時的に服用するものです。

 

そのため以前からある薬よりも新薬のほうが胃に優しいとか、痛みを取る効果が高いということであれば、ほとんど抵抗なく新薬を飲むそうです。(そのお医者さんいわく)

 

重い副作用が出るとしても、その確率は何万分の1というものでしょうから、ほとんど気にせずに処方することができるわけです

 

逆にその方が気にしていたのは長期間飲み続けなければならない薬だそうです。

 

たとえば血圧の薬は飲み始めたら、5年、10年と長く飲むことが多いわけですが、長期間服用した場合にどんな臓器にどんな悪さをするか新薬の場合は分からないので恐怖が常につきまとうとか。

 

薬への慣れ、耐性も考慮して

また、人間の体はどんなものにも次第に耐性が付くので長い間飲んでいると効かなくなる可能性もゼロではありません

 

一方、発売されて10年、20年と経っている薬の場合は、効果は新薬より劣るかもしれませんが、どのような副作用が出るかほとんど読めるわけです。

 

そういう点で、前からある薬のほうが扱いやすいとも言えますね。

 

また、新薬と前からある薬の大きな違いは価格です

 

新薬のほうが単純に値段が高いので、製薬会社としては新薬を売りたいわけです

 

それで医者に新薬の良い点をアピールして勧めてくるんです。

 

そういう事情から、たとえば血圧の薬を飲んでいる患者さんが医者から、「副作用が少ないこちらの新薬に切り替えましょう」と言われることもあるそうです。

 

患者さん自身がいままで使っていた薬の副作用が気になっているというのなら話は別ですが、副作用はあまり気にならず、かつ効果にも満足しているなら新薬に切り替える必要はそう無いでしょう。

 

あと、新薬に替えるとこれまでよりもお金がかかるという点も考慮すべきでしょう

 

ただし、副作用のリスクがあり値段も高くてもそれでも新薬を選ぶ選択肢も現実にはあり得ます。

 

 

危険を承知でその薬に賭けてみるという選択肢

上の方で抗がん剤のイレッサによって死亡者が出た事件について触れましたが、たとえば進行中のがんを抱えていて、手術もできないし放射線も効かないといった場合は、イレッサのように100人に1人とか2人が死ぬ可能性がある薬でも、その効果に賭けてみるという手はあると思います

 

薬というのは体質によって合う・合わないことがあります

 

実際、イレッサを飲んでも副作用が出ず、がんが小さくなった例や劇的に消えた例も少なくないと言われています

 

他に有効な手段がなければ、副作用のリスクを承知のうえで使ってみるという選択はあり得ます。

 

たとえば、山で遭難して今にも餓死しそうな状況なら目の前の怪しいキノコを食べる人も少なくはないでしょうからね。

 

極端な話に聞こえるかもしれませんが、HIV(エイズウイルス)の混入した非加熱製剤でも、他に有効な手段がなければ、それを使うという手段も考えられるのです。

 

血友病というのは血が止まらなくなる病気ですが、昔は治療のたびに大量の輸血が必要で、成人することすら難しかったと言われています

 

クリオ製剤の登場

その後、血液を凝固させる成分だけを抽出してクリオ製剤という薬が作られましたが、それでも有効性が低く、非加熱製剤が出る以前の血友病患者の平均死亡年齢は29歳ぐらいだったのです

 

クリオという薬は病院で注射してもらわなければなりませんでした。そのため一度出血してしまったら、病院に着くまでにかなりの血を流してしまうのがこれまでの常識でした。

 

ところが、非加熱製剤は患者さんが自分で注射することができるので、これによって状況が一変したのです。

 

そして、止血効果の点でもクリオより非加熱製剤のほうが優れていたのです

 

このようなメリットを考えれば、たとえHIVのリスクがあっても、その潜伏期間は5年から10年と言われていますから、それを知ったうえで非加熱製剤を使うという選択肢はあり得るわけです

 

非加熱製剤を使わないで29歳で死ぬよりも、HIVの混入した非加熱製剤を使って10年、20年と長生きをして、その間に有効性の高いHIVの薬が開発されるのを待つ……そういう考え方もあるはずです

 

現実に、薬害エイズ事件の後にエイズの発症を抑える薬が出てきて、早期に治療すれば日常生活を支障なく送ることができるようになっています

 

そういうことを考えると、放っておくと死ぬような病気の場合は、あえてリスクを冒すという方法もあるわけです

 

ガンに本当に効く薬は死亡率も高い?

これは某専門家から聞いた話ですが、仮にがんが治る奇跡の薬なるものが存在するなら、それは理論上100人のうち10〜20人は死ぬ可能性があって当然とのことです。

 

死亡率が10〜20%でも、薬の有効性に賭けてみる価値はあると考える人もいるはずです

 

「10〜20%の確率で死ぬかもしれませんが、うまくいけば、余命1年のところが3年に延びますよ」

 

そう医者に言われたときにどうするか?

 

さすがにこれは極端な例ですが、これと似たことはどの薬にも言えることです。

 

結局、最後に決断を下すのは自分です。後悔しないようきちんと知識は蓄えておきたいですね。

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